農業収入ゼロの百姓が気ままに綴る日々
by shimazuku
プロフィールを見る
画像一覧
更新通知を受け取る
S M T W T F S
1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30
31
以前の記事
2019年 03月
2019年 02月
2019年 01月
2018年 12月
2018年 11月
2018年 10月
2018年 09月
2018年 08月
2018年 07月
2018年 06月
more...
最新の記事
春の淡雪 2019/03/16
at 2019-03-16 10:11
雨読メモ 07/19『無私の..
at 2019-03-12 22:09
雨読メモ 06/19『日本軍..
at 2019-03-02 17:00
雨読メモ 05/19『動物の..
at 2019-02-26 10:39
雨読メモ 04/19 『国家..
at 2019-02-18 11:11
記事ランキング
フォロー中のブログ
日替わり定食
山に暮らせば
隣のカモミール ~妻ラン...
最新のコメント
よう言った! パチパチ!
by toshi at 20:01
同感!
by toshi at 10:21
山口のタクシー会社さんの..
by umiko0 at 07:57
umikoOさん、コメン..
by shimazuku at 19:13
幼いころのタンポポと言え..
by umiko0 at 10:38
涙が出そうなくらい残念な..
by yumeko at 11:10
ぷっ♪ ま、メグ・..
by umiko0 at 13:52
高すぎる 信じられん ..
by anglimala at 21:44
なんでもプレオープンの入..
by 本当の噂話 at 23:30
はじめまして、zakky..
by zakky at 07:24
メモ帳
ライフログ
検索
ファン
画像一覧

雨読メモ11/17 『トラクターの世界史』 2017/11/07

わが家には乗用トラクターと歩行用(いわゆる耕運機=元々の表記は耕耘機)とがある。両方とも米、野菜づくりには不可欠な農機具だ。15年ほど前までは耕運機だけだった。

耕運機は機械の後ろをついて歩かなくてはならない。還暦を迎え足が弱ったころ、大枚をはたいて乗用トラクターを購入した。最も小型(15馬力)のトラクターが130万円(ちなみに7.5馬力の耕運機が60万円)。決して安い買い物ではない。

この農機具がどのように開発されて今日に至っているか、知識はほとんどなかった。

日没も早くなり読書シーズン到来。そんな時期を知ってか知らでか、一風変わった新刊が出た。

『トラクターの世界史』(藤原辰史著・中公新書・9月刊)

d0165740_09375438.jpg

北海道に生まれ、島根(たぶん仁多郡奥出雲町)で育った著者は、農業史を専門とする京都大学の准教授。1976年生まれ、41歳の若手研究者である。

さて、ラクターの始まりは蒸気機関というから、自動車と同じ歩みをたどったようだ。小型化が難しく、始動に手間暇かかる蒸気機関の弱点を劇的に変えたのが内燃機、つまり石油を爆発させて動力を得る方法だった。

自動車と同様アメリカで開発され、大量生産が始まり、さまざまに改良を加えて、この100年余りで世界に普及した。量産化の道筋をつけたのが、流れ作業方式を確立した自動車王ヘンリー・フォードだったというのもおもしろい。

自動車はただ走る機械だが、トラクターは走りながら農作業をする。土を起こす、細かく砕く、耕土を平らにする、溝を上げるといった作業に適応するためには、作業に応じてエンジンの力を作業機にうまく伝えなくてはならない。

さまざまな改良を経てトラクターは世界に広がるのだが、ロシア革命を成し遂げた旧ソ連では「鉄の馬」と呼ばれ、中国では「鉄牛」と名付けられ、時の指導者にとって重要な機械と位置付けられる。トラクターは第一次大戦で戦車に姿を変えて戦場に登場し、馬に代わって重要な兵器と化す。

 一方、農場が小さい日本では大型トラクターの普及が遅れた。農場の規模に合わせた機械として注目されたのが歩行用トラクター、つまり耕運機だった。

 耕運機の原型を開発したのは現岡山市の干拓地に生まれ育った藤井康弘。彼はそれを「幸運機」と命名し、のちに「丈夫(ますらお)号」と名付けて普及を図る。「幸運機」を改良し1948年、現在の耕運機の形を生み出したのは島根県奥出雲町亀嵩の米原清夫。さらにそれを改良し、1959年に量産体制を確立したのは、なんとバイクのホンダだった。

 こうしてみると、日本のトラクター史だけでゆうに一冊の本が書けそう。しかも藤井の「幸運機」は、クボタ、ヰセキ、三菱(前身は松江市東出雲町・佐藤造機)とならぶ4大農機具メーカーのヤンマーに引き継がれて今日に至る。

 ちなみに僕が使っているのは、乗用、歩行用ともに、あの「ヤン坊マー坊の天気予報」のヤンマーである。ヤンマーはディーゼル・エンジンの小型化に世界で初めて成功し急成長を遂げた。

 百姓の一員である僕にとって、大変うれしい本だった。


by shimazuku | 2017-11-07 09:39 | 雨読ノート | Trackback | Comments(0)
トラックバックURL : https://shimazuku.exblog.jp/tb/26095437
トラックバックする(会員専用) [ヘルプ]
※このブログはトラックバック承認制を適用しています。 ブログの持ち主が承認するまでトラックバックは表示されません。