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農業収入ゼロの百姓が気ままに綴る日々
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加古隆「パリは燃えているか」 2013/02/15

 昨夜、NHKBSプレミアムを見るとはなしに見ていた。黒ずくめの男がパリの街角に立っている。ひょっとしてこの人は加古隆か、というひらめきは当たっていた。1990年代半ば、NHK「映像の世紀」のテーマ曲にひき付けられ、CDを買い求めて何度も聴いた。そのテーマ曲が加古隆の「パリは燃えているか」だった。

 加古隆がどういう人か、なぜタイトルが「パリは・・・」なのか全く知らなかった。ただ、あのテーマ曲は「戦争の世紀」20世紀を音楽で描き切ったという意味で強烈な印象がある。

 番組では彼が学んだパリ国立音楽院を訪ね、若者4人に楽譜を渡す。同級生の教授や性転換した友人と会う。在学中にフリージャズグループで活動した当時、彼の才能に注目した批評家との再会。恩師が毎週、オルガンを即興演奏していたという教会・・・。

 そうだったのか。この人はパリで作曲を学んだのか。会話はすべてフランス語。字幕を読むには寝転がって見るわけにゆかない。うたた寝をしているワイフが「何を熱心に見ているの?」と問う。

 番組の最後で、加古から楽譜を受け取って練習した4人の若者が「パリは燃えているか」を演奏する。何か物足りない。加古が気付いたことを二言三言指導する。そして2度目の演奏。同じ演奏者とは思えないくらいの響き。拍手しながら客席から立ち上がって握手を求める加古。笑顔の4人。

 ドイツの敗色が濃くなった1944年、ヒトラーはパリを焼き尽くせと命令する。だが、パリ占領軍の司令官は命令に従わず、パリは燃えなかった。日本の古都・京都は陸軍長官だったヘンリー・スティムソンの「京都を爆撃すべきではない」という一言で戦火を免れたと言われる。対戦国の文化への思いは、攻める側の一部の人たちにもあった。

 加古隆のあの曲は、もの悲しさと怒りがこもっているような気がする。でも、番組のタイトル「旅のチカラ」にはいささか興ざめした。
by shimazuku | 2013-02-15 12:29 | Trackback | Comments(0)