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農業収入ゼロの百姓が気ままに綴る日々
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雨読メモ 03/17 『応仁の乱』 2017/03/08

 山仕事に通っている間も、夜は本を読んで過ごしていた。ただ、読むスピードはかなり落ちた。それというのも、左目が霞んで画数の多い漢字が判読できないことが多くなった。たぶん白内障なのだろうが、知人に「あんなの病気じゃない」と一蹴され「手術したら見えすぎて困るぞ」と言われた。まだ眼科にかかっていない。

            ***************

雨読メモ03/17 『応仁の乱』(呉座勇一著・中公新書・2016/10月刊)
 
 新聞の読書欄を開くと、この本がベストセラーの上位にランクされている。京の街が廃墟と化したという内乱、詳しいことはほとんど知らないので、読んでみたくな雨読メモ 03/17 『応仁の乱』 2017/03/08_d0165740_17114110.jpgった。
 
 応仁の乱は、室町時代の8代将軍・足利義政のときに起こり、有力守護大名の細川勝元と山名宗全らが争い、戦国時代に突入するきっかけとなった。守護大名・畠山氏内部の家督争いへの将軍家の調停失敗に端を発し、応仁元年(1467年)から文明9年(1477年)まで11年続いた。

 すぐ終わるはずの小競り合いが次々と飛び火し拡大、長期化したという意味で、著者はヨーロッパの第一次世界大戦とよく似ている、とあとがきに書いている。

 戦乱に明け暮れている間に幕府の権威は落ち、戦争末期に地元へ帰った有力大名たちが力をつけ、それが戦国時代へとつながったらしい。

 大和(奈良)の興福寺などの高僧たちが書いた日記を踏まえて書かれたこの本、客観的な目で京都の情報に接した当時の知識人の観察がベースになっているだけに、時の権力者、有力者の動静がよくわかる。特に将軍・足利義政の優柔不断が混乱に拍車をかけたという場面が随所に出てくる。

 それにしても読みにくい本である。将軍家、有力守護大名などの名前が次々に出てきて、しかも登場人物が出家したり還俗して名前が変わるので、よほど集中しないと理解できない。おまけに文中に出典がカッコつきで示されるので流れが中断される。

 著者は1980年生まれという異世代人。過去の文献を読み込んで自分なりにまとめ上げる手法は東大で学んだ人たちに共通する手際よさだろう。原典にアクセスしやすい彼らならではの強みかもしれない。

 ベストセラーではあるが、凡人には荷が重い。はっきり言ってお薦めの本とは言い難い。いったい何人が読破したか気になる。
by shimazuku | 2017-03-08 17:18 | 雨読ノート | Trackback | Comments(0)